大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)398号 判決

所論は、要するに、原審が所論審判の請求をうけた私文書偽造の事実について判決しない違法があるというに帰着するわけであり、右はそれ自体被告人に不利益な主張に帰し、被告人のための適法な控訴理由とならない。所論は既にこの点において失当である。のみならず、本件昭和二十七年十二月十八日附起訴状には公訴事実のうち第二、第四、第五の事実中、及び昭和二十八年一月十六日附起訴状には公訴事実のうち第三、第四、第五の事実中いずれも「被告人が………預金者名義の虚偽の払戻請求書を作成し………」と記載されているが、罪名は単に業務上横領と記載され、罰条として刑法第二百五十三条のみを示しているに過ぎない。しかも記録に徴するに、検察官において右事実につき私文書偽造罪として起訴した趣旨である旨釈明した形跡はない。されば右の点は事情として記載されたもので、所論の如く私文書偽造罪の訴因として起訴されたものでないとみるのが相当である。

(後略)

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